海外のオンラインカジノを悪用した大規模な賭博事件で、神奈川県警が決済システムの運営関係者ら9人を組織的常習賭博の疑いで逮捕しました。今回の逮捕は2025年6月に発表され、日本国内でのオンラインカジノ摘発としては、極めて大きな規模といえます。対象となった賭博額はわずか1か月間でおよそ26億円。利用客の数は延べ3600人に達しており、その影響の大きさに警察も強い危機感を示しています。
逮捕されたのは30代から50代の男9人で、そのうち3人は以前から犯罪収益隠匿の容疑で起訴されていました。今回新たに逮捕された6人は、賭け金や売上の管理を担当していたとされ、オンラインカジノ専用の決済システム「バーチャルペイ」を運用していたグループです。このシステムを通じて、国内の不特定多数に違法賭博を提供していた疑いが持たれています。
問題のカジノは、カリブ海のオランダ領キュラソーを拠点にした「コニベット」とみられ、サイトは日本語にも対応していました。参加者はスマートフォンなどからアクセスし、決済代行グループのシステムを経由して賭け金を入金。その金額は2023年4月から5月のわずか1か月で約26億3000万円にのぼったとされます。さらに、神奈川県警の捜査では、9人が少なくとも6つの海外カジノサイトに関与しており、1年間で流れた資金は総額約900億円に達しているとの見方も示されました。
オンラインカジノの利用は、たとえ運営元が海外で合法的にライセンスを取得していたとしても、日本国内から接続して賭けを行えば刑法上の賭博罪に該当します。それにもかかわらず、多言語対応のサイトや仮想通貨、匿名決済の普及により、摘発が困難になっているのが現状です。今回のように、決済インフラを整えた犯罪グループが背後に存在するケースでは、利用者自身が違法性を十分に認識できないまま関与してしまうことも少なくありません。
警察当局は今回の摘発をきっかけに、国内で広がりつつある違法オンラインカジノの温床を洗い出す方針です。背景には「トクリュウ」と呼ばれる匿名型の流動的な犯罪ネットワークが存在する可能性も指摘されており、今後の捜査次第ではさらに大規模な組織関与が明らかになる可能性もあります。オンライン上の賭博行為が当たり前のように行われているいま、法の目が届きにくい領域こそ、最も慎重な監視と対策が必要です。
【参考】
【読売新聞オンライン】オンラインカジノで3600人に26億円賭けさせたか
【朝日新聞】カリブ海拠点のオンラインカジノ運営に関与か、9人逮捕



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